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2012/02/27

エゾシカ原材料のペットフード意見交換会

2月10日に続いて2月25日に、エゾシカを原材料としたペットフードの販路拡大に向けて意見交換会が実施されました。一昨年は約10万頭のエゾシカが捕獲されました。しかし、このうち有効に活用されているのは1万3千頭だけ。エゾシカは北海道の貴重な資源です。もっと有効に活用しなければ捕獲されたエゾシカも浮かばれませんよね。

新得町「わかふじ寮」オリジナル商品
新商品のエゾシカソーセージを開発中!


エゾシカは牛や豚に比べてカロリーが3分の1で脂肪分に至っては15分の1と言われています。健康に生きるためには、人間に限らず犬や猫もタンパク質を必要とします。特に老いた犬や猫は食が細くなります。これも人間と同じですね。そこでエゾシカの登場です。少ない量で充分なタンパク質が取れて、さらには脂肪分も少なく抑える事ができます。また、エゾシカは野生動物ですから添加物やホルモン剤等を使わない無添加のフードを製造できます。これは、最近みられるペットのアレルギー対策にも有効なのです。さらに、エゾシカ肉を食べたワンちゃんは毛艶が良くなる事も報告されています。

帯広「狩人の蔵」
ハツのジャーキー
意見交換会では、今後さらに安全安心でペットが喜ぶエゾシカ加工製品を消費者に提供できるよう熱い討論が行われました。十勝の生産者が一丸となってブランド化に取り組む事でエゾシカ有効活用の第1歩を築いてゆきたいと思います。ペット愛好家の皆様、どうぞご期待下さいね。


池田町「まきばの家」
スコーン
既存の商品もまだまだたくさんあります。どうぞお試しください。


十勝管内でのエゾシカ学校給食試食会

2月10日に帯広で十勝総合振興局主催によるエゾシカを使った学校給食のプレゼンが行われました。食材の提供と調理は『十勝ジビエ協議会』の会員企業4社の協力があり、エレゾ社(豊頃町)、上田精肉店(新得町)、鷹の巣農林(上士幌町)、ドリームヒル・トムラウシ(新得町)から8つのメニュー提案がありました。試食をして導入を検討する学校給食関係者の方々も十勝管内8市町村から集まり、美味しいエゾシカ料理を味わいながら学校給食導入へ向けての意見交換が行われました。
エゾシカ料理を味わう十勝管内の学校給食担当者の方々
価格等の壁があるものの、ジビエ協議会のメンバーはこの日のために、「十勝の子供たちに安全安心な十勝の恵みを食べてもらいたい」との思いから、いろいろなメニューが提案されました。







十勝では昔から先住民族のアイヌがエゾシカを主食として生活していました。明治初期には記録的な大雪や乱獲によりエゾシカが一時大量に減少しました。この頃には主食が取れずに餓死する者まで出たと聞きます。これを機会にアイヌは狩猟生活から農耕生活へ転向してゆきます。このような先人の食文化を学ぶ事も大切な食育です。

地産地消型の学校給食は食文化の継承や創造にもつながるばかりではなく、地域産業が活性化し、関連産業の発展につながり、最終的には地域の活性化にもつながります。この効果は将来、地域の発展を支えてゆく子供たちにとって特に理解を深めることが大切ではないでしょうか。


参加メンバーで熱い討論会
十勝地域においてもエゾシカによる農林被害は深刻なものとなっており、今後は食育の一環として、エゾシカとのふれあい体験や調理・加工体験を通して、十勝に根差した食材であるエゾシカとの付き合いを深めてゆく必要があります。ただし、このエゾシカに関する食育を充実させるためには、行政や学校、生産者の他にも栄養士会や調理師会といったネットワークの構築で、エゾシカに関する食育のための環境や設備の整備が前提となることを忘れてはいけません。