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2011/12/26

エゾシカ加工食品あれこれ

北海道内には82ヶ所のエゾシカ肉加工工場があります。自然食材を扱うワケですから、どこの工場も衛生環境への取組は一生懸命。安全安心なエゾシカ加工品をぜひ召し上がれ!


こんなにも多くのエゾシカ加工食品があるなんてご存知でしたか?

2011/12/20

エゾシカを有効活用しましょう!


なぜ有効活用が必要か
 エゾシカによる被害は農林業で50億円との報告もありますが、そのほとんどが農業被害です。林業への影響は時間とともに把握されることや、どの木を食したのかの全体像を把握することが困難なため被害額がつかみ切れていません。さらに交通事故や鉄道事故による損害を含めると計算はされていませんが、さらに数倍の被害額となっているものと推測されます。
 加えて、個体数調整に要する費用を含めるとエゾシカによる被害は、経済的にも非常に大きな損失となります。
 有効活用は、単に処分に困っているからという理由だけでなく、損失だけのエゾシカから、少しでも利益をもたらすための工夫という観点から必要と考えています。

ジーアールカンパニー社製 シャンデリア
上田精肉店 エゾシカジンギスカン


有効活用を進めるための課題
 現在、主として食肉等の利用されているエゾシカは、全捕獲数の約1割程度(約13千頭)にとどまっています。エゾシカを商品として活用するためには、衛生管理の観点から保健所への登録が必要となり、この処理施設は全道で82施設(平成21年度末時点)あります。これらの施設ではハンターから8,000円~1万円/頭で買い取っており、有害駆除の報奨金よりも高く引き取ってもらえるためハンターからもこうした施設の整備の要望が多くあがっています。
 なぜ、商用に利用されているエゾシカは少ないのか。需要が少ないというのがこれまで考えられていたことですが、実は、最近の傾向をみると少し変化してきているように感じています。
 最近ではテレビなどでエゾシカ料理が取り上げられたりしており、人々の関心も以前よりは高くなってきていると思います。また、ペットフードも動物病院で扱っている例もみられてきており、その価値も見直されてきています。
 ところが、食肉を処理、供給している施設やペットフードを製造している事業所に話を聞くと、原料が足りないという状況が発生してきているといのです。
 例えば、肉や加工品などをスーパーに置かれている例もみられてきていますし、学校給食などでの利用例もみられてきています。しかし、こうした利用に供するためには、安定供給できなくてはいけません。それが、原料が足りないから安定供給ができないという状況が発生してきています。
 一方で大量に捨てられ、一方で資源が足りないという、矛盾した状況が発生してきているのです。
 もちろん、こうした矛盾が発生している理由もちゃんとありますが、長くなりますので、次回以降で考えていきたいと思います。

 エゾシカを有効活用していくためには、さらに多くの課題があります。野生動物であることによる衛生面での消費者の不安、今のような衛生管理が行われる以前に食したエゾシカ肉に対する悪いイメージ、衛生管理にかかる法的要因、さらには皮利用のための鞣し加工の課題などがその一端です。
 こうした様々な課題のほか、例えば、道内各地の話を聞いてみるとどうも地域や食している餌によって肉の味が違うといった話や、ハンターならではの料理方法の紹介など、真面目な話から、噂話も含め、楽しい交流の場にしていきたいと思います。

エゾシカほ獲の課題


エゾシカの個体数について
北海道のエゾシカの生息数は60万頭とも65万頭とも言われています。エゾシカは、毎年猟期の狩猟と個体数調整(有害駆除とも言われていますが・・)によって10万頭程度捕獲されています。それでも年々農産物等への被害が増えているのは、捕獲される頭数よりも生まれてくる頭数の方が多いからですが、この均衡を保つためには13万頭とも言われていますが、確かな根拠があるわけではありません。また、農産物等への被害を削減するためには、適正個体数を目指さなければなりませんが、その数は何頭でしょうか。被害が出始めたのが大体昭和60年ごろとも言われており、その当時でエゾシカの生息数は20万頭ともいわれていました。この数を目指すのでしょうか。今、大学や行政機関等でその目標設定のための研究が行われています。



もうひとつのエゾシカ問題
 いずれにしても、今よりもさらに多くのエゾシカを捕獲しなければならないのは明白です。
エゾシカ問題の最大のテーマは、農産物等への被害を削減するための個体数調整ですが、同時に大きな問題としてあげられているのが捕獲した後の処分です。
 捕獲されたエゾシカはどのようになっているのでしょうか。平成21年度に北海道で調査された結果では、最も多いのがハンターの方たちによる自家消費です。自分で捕獲したものを家庭や知人等で食したり、皮や角などをインテリアなどに利用したりしています。この量が、ほぼ6割です。
 次に市町村で処分されている量が約3割あります。実は、もうひとつのエゾシカ問題はここにあります。市町村や農協等からの依頼で有害駆除の名目で捕獲されたエゾシカは、一般廃棄物ですので市町村が処分しなければなりません。その方法は、市町村もしくは広域組合で所有している焼却施設や埋立施設での処分が行われますが、ほとんどは捕獲現場での埋設を含めた埋立処分です。この施設容量が足りていないのです。そのため、多くの場合、重機で穴を掘りそこにエゾシカを埋めるという方法がとられています。もちろん、埋められたエゾシカは土中の微生物によって分解されますので問題はありません。ただし、数十頭から数百頭が埋められるわけですから、その費用もかかりますし、ハンターに依頼して捕獲してもらうのですから、そのための報奨金(平均6,000/頭)もかかります。この費用が市町村財政、道財政の負担となっているのはいうまでもありません。
 今後、さらに捕獲数の増加が見込まれる中でこの処分施設をどう整備するかが大きな課題となっています。

エゾシカほ獲の現状


エゾシカの捕獲には狩猟と許可捕獲の2種類があります。狩猟は、「鳥獣保護及び狩猟の適正化に関する法律」及び、北海道が定める「エゾシカ保護管理計画」に基づいて定められた可猟区ごとの狩猟期間に猟を行う事です。これに対して、許可による捕獲とは、農林業被害・交通事故等への対応や個体数管理を目的とした場合に、主に狩猟期以外の期間に市町村や農協等が北海道からの許可を得たうえで地元猟友会に依頼して捕獲することを言います。

さて今年度は157千頭の捕獲を目標としているため、昨年は1023日であった解禁日を一部の自治体を除いて101日に前倒ししました。この規制緩和をはじめとして、今年度は様々な対策が以下のようになされています。

・猟期を約3週間早め、101日~翌年325日(一部市町村を除く)に変更する。
・雄ジカの狩猟頭数を10月と11月は無制限にする。12月以降は従来通り11頭になる。(雌は全猟期で無制限)
・道有林の林道195キロを除雪する。これによりハンターの行動範囲が広がります。
・遠軽町と自衛隊が連携して駆除作戦を実行する。(前回は白糠町で実施。実績28頭)
・環境省が羅臼町で餌付けして集めたシカを公道から銃で駆除する。
(北海道新聞記事 2011/9/30 一部引用)

しかし、苫小牧東部地区の大半では、今年発生した厚真町内での銃弾死亡事故もあり、10年間銃による猟が禁止となりました。苫小牧東部地区は平野で積雪も少ないため、餌を探しやすい事からエゾシカが集まる地域となっています。この地域には60社約3,000名の人たちが就業しており、エゾシカによる交通事故も懸念されています。現在は銃猟禁止地域以外で猟友会による駆除が行われており、罠猟もふくめて安全第一を念頭に置いた取組が行われています。

2011/12/19

NPOあうるず「エゾシカ通信」配信開始!


2010年度の調査で北海道に生息するエゾシカは約65万頭と推計されています。
増えすぎたエゾシカが引き起こす問題は「農林業被害」「交通事故」「植物の生態系破壊」と様々です。昨年度の北海道における農林業への被害額は50億円にも達しています。北海道の報告では、昨年度の捕獲数が109千頭と初めて10万頭を超えましたが、増え続ける状況にSTOPをかけるためには134千頭を捕獲しなければなりません。北海道は今年度、狩猟期間の延長や捕獲頭数制限の一部解除などを行って157千頭を目標としています。エゾシカが引き起こす問題を解消するためには地域の皆様のご苦労もあろうかと思いますが、是非とも達成して欲しいところです。



「エゾシカ通信」では、エゾシカ対策における地域の方々の取組や、捕獲された個体の有効活用の事例や製品をご紹介してゆきたいと思います。『エゾシカは温厚な可愛い動物なのになぜ駆除してしまうのか?』と言う声もよく耳にします。北海道では、鳥獣保護法に基づき「エゾシカ保護管理計画」を策定して対策にあたっています。野生動物の命を守ると同時に、地域の方々の生活も守らなければなりません。このデリケートな問題をご理解いただき、エゾシカ対策に関する情報がございましたら、どんな事でもNPOあうるず今野までご連絡をいただけましたら幸いです。(詳細プロフィールからメール送信が可能です)